夏の日差しと狼のいろ。




 でも、ウルーは
 嫌みたいだし…


 ツキはため息をついた。



 (それなら、どうしたら
  いいんだろう。)


 ツキが悩んでいると
 急に後方から怒鳴り声が聞こえた。



 「何やってんだこの餓鬼ども!
  それにさわるんじゃない!」



 ゴンドラの持ち主だ。

 男はツキを押しのけ、
 ゴンドラを向こうへやった。



 リルはまた、
 1番初めにであったときのように
 俯いている。



 きっと、よほど
 この人が嫌いなんだ。




 ツキが考えているあいだにも
 男はどんどんゴンドラを押していく。



 「ど、どうしよう!」

  「私に任せてください」


 アルがツキの横を通り過ぎ、
 男のところへ行く。



 「ああん?なんだオマー…」



 言葉は最後まで続かなかった。



 そう、アルの金縛りだ。
 琥珀色の瞳は、
 得意げに光りアルは

 フッと笑う。



 「馬鹿ですね」



 そしてアルはせっせと
 その男をしばりあげると
 違うゴンドラに乗せ、


 そのゴンドラを水に放した。


 ゴンドラはすいすいと
 水面を滑り、

 遠く流れていった。

 今日は嵐になるとかなんとか
 ミリシアが言っていたのを
 ツキは思い出す。


 もう遠く流れていった男は
 戻ってこれないかもしれない。



 そしてそのアルの考えと
 素早さにツキは声をあげる。