夏の日差しと狼のいろ。



 「ハーフとか、そんな
  中途半端な狼じゃない」



 え…?

 ツキはぽかんとイクアを見つめた。


 だって自分は
 ハーフで、それこそ人間でも
 狼でもない存在だと
 思っていたから。




 イクアはさっきまでの
 ふざけた態度は嘘だったかの
 ように真剣だった。



 「聞いてねーか?
  あの物知り猫にさ」


 物知り猫…。
 たぶん、アルのことだろう。



 そこではっと気がつく。

 「イクアくん、耳みなくても
  人間じゃないとか
  猫だとかわかるの?」





 「んー…まぁな」


 イクアは呟くように返事をして
 付け加えた。




 「ほんとはツキも
  わかるはずなんだぜ?」


 イクアは困ったように笑い、
 話を続けた。



 「ま、聞いてねーなら
  俺が言う。

  ツキは、"雪狼"だよ」






 「え…?」


 雪狼。
 それはさっきアルが話してくれた
 冬の町の種族の名だった。