「今度は邪魔なしで、って
言ったじゃん
聞いてなかったの?」
イクアはまたまた屋根の上に
着地すると
不満げに言った。
ツキもそれに
不満げに返す。
「邪魔じゃないでしょ」
そういうとイクアは
はぁー、と大袈裟に溜息をつく。
「だって俺
ウルーとやらに睨まれるんだぜ」
さらにひどく大袈裟に言うと
イクアはまた溜息をついた。
「…そ、れは…」
ウルーの機嫌が悪かったから。
とは言わなかった。
何で機嫌が悪いのか
わからないし…。
ツキが黙るとイクアが
ニィっと笑った。
「見て」
「?」とツキが首をかしげ
見たのはイクアの頭。
ぴょこん。
そこには氷みたいな色をした、
ツキたちと同じような
獣耳があった。
しかも、狼のものみたいだ。

