夏の日差しと狼のいろ。



 しばらく沈黙に、
 重苦しい空気が流れた。


 しかしそれを断ち切るようにー






 ーコンコンッ






 ノックの音が聞こえた。

 三人が全員、顔をあげる。



 「入るわよ?」


 カチャリと戸をあけ、
 ミリシアが入ってきた。


 ミリシアは入るなり手を差し出した。


 その手には
 鍵のようなものが握られている。


 「なんですか?」


 アルが不思議そうに、
 それを覗き込む。


 ミリシアは困ったように
 苦笑しながら言った。





 「最近、この辺り、物騒で。
  だから…鍵をかけないと。」


 物騒…ー


 頭にぽんっと
 カナリアの子と、
 イクアのことが思い出される。


 しかしツキが言おうとすると
 アルがそれを手で遮った。



 そしてミリシアに向かって言う。


 「わかりました。
 私たち、出かけるので
 さっそく使います。」





 鍵を受け取ると
 アルは颯爽と歩き出した。




 ツキとウルーも
 急いで耳をたたみ、後を追う。