夏の日差しと狼のいろ。


 アルはツキに目を合わせず、
 言った。



 「ミラ・レヴィラには気性が穏やかで
 氷のような色と毛並みをした
 青い瞳の雪狼がいるんですけど…」




 アルは更に俯く。

 なんだか様子がおかしく、
 言いごもっている。







 焦れったくなったのか
 ウルーが話を促した。


 「なんだ?」



 「…雪狼の神は死に、
  その子共が人間に持ち去らた
  らしいんです。」




 アルは一度とまると
 やがて躊躇いを払うように言った。





 「雪狼の神の特徴はー
  片方の瞳からの青い炎、
  人間に化ける力、
  咆哮で物を破壊する力」










 ツキはぴたりと
 動きを止める。



 ウルーの視線。


 ツキの頭の中には
 あの時の記憶が
 蘇っていた。


 その特徴はあまりにも
 あの時のツキに似ていたーー…



 助けにきたウルーが追い込まれ
 ツキが遠吠えをした、
 あの時…







 「ち、がうよ」


 ツキは放心しながらも
 なんとか言う。


 「だって、私、ハーフだし
  狼になれないし!」


 「確かに…そうですよね」




 アルもようやく
 安心したように目を合わせてくれた。