宿の中に入ると、
長い、藍色の髪をした
女の人が歩みよってきて、
アルに声をかけた。
「いらっしゃい、アルテミスちゃん」
そういえば
そんな名前だったかなーと
一人思い、
その女性をツキも見た。
長いまつげに、
さらさらの髪。
スラリと美しい体は猫を思わせる。
「この人は、ミリシアさんです
私の仲間です」
アルがすっと手をミリシアのほうへ
向け、紹介した。
「はじめまして、ツキです」
ツキがぺこりとお辞儀すると
無言だがにこりと笑い、
会釈してくれた。
「ミリシアさんが部屋貸してくれます」
そう言うとアルは勝手に一人で
奥の階段を上がっていく。
「…仕方のない子」
ミリシアははぁ、とため息を
つきつつも懐かしそうに
アルを見詰めていた。
どういう関係なんだろう?
仲間って言ってたよね。
疑問はいっぱいあったが
いきなり聞くのも失礼だと思い
口をつぐんでおく。
「…こちらはウルーくんね?」
まだ紹介をしていなかった
ウルーを見、ミリシアは
ツキに尋ねた。
「あ、はい…」
なんで知ってるんだろう?

