「ち、違うよ!イクアくん降ろして」
ツキがバタバタ暴れると
イクアはつーんとした。
「やだ。降ろして下さい、は?」
…!!
何…何なの!?
イクアはにこにこと
楽しげに笑っている。
「………」
そんなやり取りを
ウルーはじぃっと見ている。
しかめっつらで。
助けてくれそうにない。
「ウルー…!ちょ、助けてっ」
とうとうツキは
ウルーに助けを求めた。
するとウルーははっとしたように
やっとこっちへ近づいてきた。
そして、イクアを睨むと
きつい口調で言った。
「ツキが嫌がってる。離せ」
銀色の前髪から覗く瞳は
しっかりとイクアの青い瞳を
とらえている。
「「…………。」」
しばらく黙っていた二人のうち
イクアがはぁ、とため息をついた。
「そんな怒んじゃねーよ
ツキは照れてるだけだよ」
悪戯っぽく笑うと
イクアはツキを降ろした。
ふぅ、とツキは
ため息をつくと、
ちらっとウルーを見る。
「………」
相変わらず、黙ったまま
イクアはを睨んでいた。
そんなに睨まなくても…
ツキは一人思いながら
イクアからすすっと離れ、
ウルーの後ろへ隠れた。
そんなツキを見ても、
さっきと変わらず
イクアは笑い、言う。
「また来るよ、今度は邪魔ナシ」
そういうと
颯爽とどこかへ走り去っていった。

