夏の日差しと狼のいろ。



「ウルー…どうしたの?」


ツキはさっきと同じ質問をウルーに浴びせた。


ウルーは長い銀色の前髪の間からツキのほうを見た。

月明かりだけが入る部屋でウルーはひどく幻想的で綺麗だった。


そしてウルーはおもむろにツキの頬に手をのばす。
ウルーの手が触れたのはガーゼをつけた、傷のところだった。


ウルーはそのままじっとツキを見詰めた。


(なっ…どうしたの…?)


ツキは鼓動が早くなるのを感じる。

ウルーの綺麗な瞳がツキを見詰めながら悔しそうに閉じられた。


「怪我……俺のせいで」

ウルーは一言呟くとツキの頬を指で撫でた。


「…っ、えと…」

ツキは少し赤くなった頬をごまかすように耳を動かし、何か言おうと口を動かす。



「……悪い……」

ウルーは小さく呟く。


余り普段、感情を表に出さないウルーが今は辛そうだった。
 


「…ちがうよ、ウルーは助けにきてくれたから」

ツキはウルーの表情を少しでも和らげたかった。


こんな辛そうなウルーは見たくない。


第一、怪我くらいどうでもよかった。

ウルーが来てくれたという事実が嬉しかったのだから。



「ありがとう」


ツキはウルーにもたれかかるとにっこり笑った。


ウルーは少し困ったようにでも安心したように同じようにツキにもたれかかった。



月明かりが入る部屋で二人はそのまままどろみ、眠っていった。