そんなのは、嫌。
冒険へ出かけたところで自分のことがわかるという確証はない。
でも。
「ちゃんと、いつか帰ってくる」
ツキはちょっと涙目でそう言った。
シルクはため息をつき、微笑む。
「当たり前でしょ」
そう言うとソファーから立ち上がった。
そしていつも通り明るく言った。
「私は寝るわ真夜中だから眠くて眠くて」
シルクは本当に眠そうにあくびをすると、ツキに救急箱を渡した。
「アンタが狼くんの治療してあげなさい」
そう言うと、すたすたと寝室に向かってしまった。
ツキはその背中をソファーに 座ったまま見送った。

