* 「おはよ、荻野」 教室に入り自分の席にいくと、神木くんのほうから挨拶してくれた。 …じんわりと心があったかくなる。 「おはよっ!」 精一杯の笑顔で返事をする。 「今日は寝坊しなかったんだな」 「えっ!? そ、そんな毎日遅刻しないからっ!」 「さーどうだか」 神木くんはうちにちょっとした冗談を言ってくるようになった。 あいかわらずポーカーフェイスで。 だけど少し表情をゆるめて。 あの日みたいにお腹を抱えて笑うようなところはみてないけど。 よく目が細くなるようになった。