12年目の恋物語

「で、これ、何の集まり?」



既に家に着いていたという斎藤は、たった5分で合流した。

ジーパンにTシャツ、上にパーカー。

私服だと、イメージがまるで違う。



「なに? 志穂、説明しないで呼び出したの?」

「うん。叶太くんがご飯おごってくれるから、おいでよって」

「いや、別に夕飯は家にあるから、いいんだけど」


オレの隣の席で、斎藤は言う。



「斎藤。よかったら食べて。ホント、おごるし。二食くらいいけるだろ? 部活の後だし」

「や、だけど」



三人分の飲食料。

いくらファミレスでも、そう安くはない。



「大丈夫、おごってもらいなよ」



と、志穂。



「今も同じなんでしょ? 自分ちの店での飲み食いは、自由って」

「ああ、変わんない」