12年目の恋物語


お昼休み。



この1ヶ月ほどで、すっかり、陽菜も入れた4人で食べるのが、日常になっていた。

一番、おしゃべりなのは、亜矢。

陽菜と叶太くんのことを聞きたがるのは、梨乃。

陽菜は、自分から話題を振るようなことは、ほとんどなくて、いつもニコニコ、相づちを打つようなタイプ。

それでも、叶太くんのことを聞かれると、一瞬、表情が曇るのが気になっていた。

しかも、一緒にお弁当を食べるようになってから、どんどん、陽菜の食が細くなっている気がする。



あれ、なんか、痩せた?



そう感じたのは、2週間くらい前。

それでも、最初は気のせいだと思っていた。

元々、細い子だから。



でも、気をつけて見ていると、分かることもある。



例えば、陽菜は、わたしが三口食べる間に、一口しか食べない。

しかも、一口当たりの量が、わたしの半分!!



そして、お弁当のおかずかフルーツを、ほんの数口食べただけで、そっとフタを閉じる。



ゆっくり食べるから、食べ終わりは、わたしたちのほんの少し早い程度。
(って言うか、完食じゃないし、食べ終わってるって言わないかな?)

陽菜のお弁当は、小さいけど、とても凝っているから、亜矢や梨乃が、



「うわあ! 美味しそう!」



なんて言った日には、すかさず、



「じゃあ、よかったら、食べて?」



と、満面の笑顔で差し出している。



正直、気になっていた。

コレは、ぜったい、叶太くんがらみで、悩んでいるな、と思っていたから。

友だちだし、力になれるなら……と思ってた。