振り切るように置いてきたカナ。 置き去りにされたカナの、傷ついたような目。 わたしたちを包む、重い空気。 人通りの少ない裏口への廊下に、虚しく響く、2つの足音。 何度となく繰り返される、 カナから離れなくちゃ、 カナを自由にしてあげなくちゃ、 と言う想い。 こんなに好きなのに。 こんなに好きなのに。 こんなに好きなのに。 カナと離れなくちゃ、いけない。 がんばっても、がんばっても、届かない。 カナは優しいから。 カナは責任感が強いから。 今まで、わたしが、甘えすぎていたから……。