大声で名前を呼ばれ、何度も、意識が浮上する。
その度に襲い来るとてつもない苦痛。
自分は死ぬのだと思った。
このまま、息ができなくて、死んでしまうんだと。
助けて、ママ。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
言うこと聞かなくて、ごめんなさい。
苦しい。
息ができない。
次に目を開けたときに見たのは、ママとパパの顔。
赤い目、ポロポロとこぼれ落ちる涙。
後にも先にも、ママの涙を見たのは、あのときだけだった。
ごめんね。
心配しないで、ママ。
はるなは大丈夫だから。
何の根拠もなく、そう思い、わたしの意識は、また途切れた。



