12年目の恋物語


命を奪う?

まさか!!



「……そんな」



そんなこと、考えてもいなかった!



そう言いたかったけど、今となっては、わたしがしたことは、

叶太くんが好きで、好きで、

だけど、叶太くんに想いを告げる勇気はなくて、

代わりに、牧村さんをいたぶっていたとしか、見えない。



「いいよ。……って、ボクが言うことでもないけどね」



羽鳥先輩は薄く笑った。



「起きてしまったことは、仕方ない」



だけどね、と、先輩は続けた。



「キミは、自分が、

なぜ、そんなことをしたのかを、

これから、どうするべきかを、

しっかり考えるべきだね」



先輩はそれだけ言うと、呆然とするわたしの前から立ち去った。