昼休み!!



「志穂、なに、そんなに浮かれてんの?」



梨乃に言われて、「ちょっとね」なんて答えてみる。



「陽菜、呼んでくる~」



机を4つ準備して、陽菜を迎えに行くわたしの後ろで、

梨乃と亜矢が、



「志穂、なんかおかしくない?」

「ハルちゃんが、好きなだけじゃない?」



とか話しているのが聞こえた。



プツッと小さな音がして、昼休みの放送が始まる。

聞き慣れた音楽が流れる。

いつもより大きい音。



ふふ。

休み時間に大きくしておいた。




「皆さん、こんにちは! 今日も五月晴れ。気持ちいいですね。

さて、今日はちょっとしたイベントを用意しています。

BGMだと思って聞き逃さないようにしてくださいね。

準備はいいですか?

耳を澄ませて聞いてくださいね。

昼休みも短いので、早速、行きますよ~!」



そんな前振りの後、ポップな音楽が流れ出した。



期待させておいて、BGMじゃん……と思い、大きなスピーカーを見上げた人もいた。



けど、続く声を聞いて、クラス中のみんなが、目を見開いた。





「だけど、オレ、ハルが好きだから!!」





一瞬で、教室の中から、すべてのざわめきが消えた。

次の瞬間、全員の視線が、叶太くんの元に集まった。