翌日、ほとんど寝ずに書き上げたラブレターを見せると、

またしても音読させられた。

いつもは、ぜったいオレで遊んでるだろ、って感じで、あちこちつっこみを入れる羽鳥先輩が、真顔で聞いていた。



そして、読み終わると一言。



「合格」



え!?



オレが驚いて先輩をマジマジと見ると、先輩は不思議そうな顔をした。



「なに? まだ書きたかった?」



「い、いえいえいえいえいえ! とんでもございません!」



オレの反応に、先輩は笑い出した。



「あははは、もう、ホント、面白いなぁ!」



ひとしきり笑った後、オレのラブレターを手に取り、鞄にしまった。



「え?」



「これは、責任を持って、ハルちゃんに渡しておくから」



いや、それはいくら何でも……。

こんなモンを、人様に預けるなんて。



「ん? ハルちゃんには会ってもらえるようになったの?」



「………いえ」



くっそぉ。知ってるくせに。


「そうそう。ハルちゃん、明日退院で、来週から登校だって」

「あ、そうですってね」

「なんだ、知ってたの」



つまんないなぁと先輩。

やっぱ、遊ばれてる。



「オレは会ってもらえないけど、お袋や兄貴は見舞いに行ってるし」



ハルの様子なんかは、割と詳しく聞いている。



……根ほり葉ほり聞いているとも言う。