気持ちが伝わるか?
会って、言葉を尽くしても、伝わらなかった。
なのに、メール?
ムリだ。
伝わるわけがない。
だいたい、ハルは、メールとか、あまり好きじゃない。
そう言いはしないけど、好んでは使わない。
送ったら、返事はくれるけど、自分からは、めったに送ってこない。
なんで、そんなにハルのこと、詳しいんだよ。
「じゃあ、これ」
と、先輩は可愛らしいレターセットを取り出した。
更に、また一つ、また一つと……。
ピンク。
水色。
若草色。
花柄。
水玉。
「って! 先輩! いくつ持ってんですか!?」
「ん? 見れば分かるだろ?」
結局、十冊ほど数えたところで、ようやく品切れ。
「どうぞ」
「え? オレが、これで書くんですか!?」
同じ便せんでも、もっと普通の、男が使ってもいいのだって、あるだろ!?
「書かないの?」
厳しい声じゃないけど、笑顔の後ろの威圧感がすごい。
「いえ。
…………じゃあ、これで」
オレは、かろうじて、許容範囲、水色の空をモチーフにしたレターセットに手を伸ばした。



