「志穂、原因と結果が、つながんねーよ」
ハルんとこに、毎日お見舞いに行って、話をしたら、どうして、オレとハルの仲を取り持つって話になるんだ?
……わけわかんねーだろ。
それとも、オレがバカだから分かんないだけ!?
「そっか。叶太くんには、難しすぎる質問だったって、伝えておくよ」
志穂が、じゃ、と立ち去ろうとするのを見て、オレは反射的に志穂の腕を掴んでいた。
「ま、待て待て待て待て待て!!」
「ん?」
「オレが、お願いしますって言わなかったら、どうなるの?」
「……そんなん、わたしが知ってるわけないじゃん」
あ、そうですか。
「でも、もしかしたら、羽鳥先輩に陽菜、取られちゃうかもね」
「はあ!? 志穂、おまえ、どっちの味方だよ!」
志穂は呆れたようにオレを見た。
「陽菜の味方に決まってるでしょ? バカなこと、聞かないでよね」
「……失礼しました」
「じゃ、ねー」
志穂が手を振って立ち去ろうとするのを、オレはまた手を引いて止めた。
そうして、苦虫をかみつぶしたような顔で言った。
「……お願いします」
どんな取り持ちだか知らないが、お願いしないリスクの方が高い気がしてならない。
だから、頼むことにした。
「ん?」
「よろしくお願いします!!!! って、羽鳥先輩に伝えて」
「ああ!」
志穂はにっこりと笑うと、
「了解!」
警官のように、ビシッと敬礼した。



