「ハルッ!!」
……良かった。
ハルの背が苦しそうに揺れていた。
うまく呼吸ができていない。
顔色は青白いを通り越して、土気色で……。
なのに、良かった、と思っていた。
……生きてた。
間に合った!!
「斎藤! 救急車! 呼んで!!」
「え?」
「保健室、すぐそこだから! 先生に言って」
「分かった!!」
斎藤が駆け出した。
「ハル! ハル!」
ハルの肩に手をかける。
「ハル!」
ハルの手から、ポロリと携帯が落ちた。
その画面に自分の名前を見つけて、オレは、
気がついたら、叫んでいた。
「ハル!! なんで電話しないんだよ!!」
意識のないハルに向かって、叫んでいた。
「なんで、もっと早くに、呼ばなかったんだよ!!」



