オレは、そのまま駆けだした。
斎藤がオレのすぐ後ろについてくる。
階段は二段飛ばしで駆け下りる。
途中で先生にすれ違って、
「こら! 廊下を走るな!」
って言われたけど、オレは、
「すみません!!」
って叫んで、そのまま通り過ぎた。
反省文くらい、後で何百枚でも書いてやる。
もし、オレの思い過ごしなら、
その方が、100倍いい!!
息が切れる。
オレたちの教室から、保健室はけっこう遠いんだ。
重いドアを開けて、校舎から飛び出して、
「ハル!」
って呼んで、
ぐるりと辺りを見回すと、
探すまでもなく、ハルがそこにいた。
校舎の壁のすぐ横で、うつ伏せに、倒れていた。
「ハル!!!」
全身に鳥肌が立った。
すぐに駆け寄りたかったのに、一瞬、足がすくんだ。
「広瀬!」
斎藤の声で、ようやく我に返って、オレは、ハルの元に駆け寄った。



