世界が逆転した日

「待って!車で送っていくから。
その方が早いよ?」


確かに、お金も持ってないし、歩いていったら一時間以上かかるだろう。
なので俺は、亮ちゃんの言葉に素直に甘えることにした。

明宏の家に着くまでの間、亮ちゃんに今までのことを話した。
パラレルワールドに行っていたこと、もう1人の俺と入れ替わっていたこと。


「信じられないけど...。言われてみれば、今までのあっちゃんとは少し違ったような気もする。
それにしても、あっちゃんが二人いるなんて...。」


俺だけじゃなくて、明宏も、亮ちゃんだって二人いるんだよ。

どっちの亮ちゃんにも、助けられてばかりだ。

そういえばもう1人の俺は、居候のくせに亮ちゃんのベッドを占領してたんだな。
どれだけ図々しいやつなんだ!