「心配かけさすな、馬鹿。」



まっすぐ私を見て言う凛也くんの表情はとても力強くって、本気で心配してくれたんだってことが伺える。


ごめんなさい、と素直に伝えると、凛也くんの胸元に顔をうずめた。




「…っとに、無事でよかったっ。」



いつもと違う感じの声に顔あげようとしたけれど、力強く抱きしめられたおかげで顔を動かせない。
私は凛也くんのにおいを感じながら、目を閉じ、気付いたら凛也くんにおんぶされていた。



「起きた?」


「うん。」


軽く目をこすり、そのまま凛也くんの首に手を回した。



「…懐かしいね、こういうの。」

「おまえはいろんなとこで寝てたからな。」

「べ、別にそんなことはなかったと思うんだけど。」


家に着くまで、ふふふ、と他愛もない話を続けていた。






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