「おらっ、降りろ!」
両腕を紐で拘束されて、乱暴に車から降ろされる。
結局逃げるタイミングなんてなかったなぁ…と落ち込んだとき、好機が訪れた。
その怖い人が私から目を離して、車に鍵をかけようとしたのだ。
それに気付いて、家の門に向かって走る。
この家から出さえすれば、なんとかなるかもしれないっ!
走る私に気付いて、怖い人も追い掛けてくる。
でも、私だって足には自信がある!
伊達に生まれたときから凛也くんのパシリやってないもの!
距離を確認しようと後ろを振り返る。
すると、とんでもないことにその怖い人は胸元から拳銃を取り出した。
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