「紅山凛也を知ってるか?」 学校帰り、寮との約数100mの距離で尋ねられた。 「ひっ!」 びっくりして数歩後ずさる。 その人の髪は金髪で、顔には大きな傷痕がある。 いかにも不良っぽいその姿に、震えが止まらなくなった。 「……ごめん、驚かせちゃったな。」 その姿とは裏腹に、とても優しい言葉が出てきてびっくりする。 …私も、失礼だったよね。 思い直して、震えの少しおさまった体を感じて言った。 .