「なに、いまの……?」 キスなのに、キスじゃない。 あんなの知らない。 「あれは恋人同士のキスだよ。」 そう言われて、混乱する。 あんな苦しいのをみんなしているの!? いつか酸欠で死んじゃうよ! 「茅沙、知ってた?」 私が知らなかったことなんてお見通しなのに、わざわざ聞いてくる凛也くん。 「………知らなかった。」 そう答えると、凛也くんの機嫌は少し良くなったように思った。 .