そして、その背中にまわっていた腕はそのまま私を引く。 力に従って動いた私の体は、当然のことながら凛也くんの腕の中に引き込まれていた。 「ど、どうしたの凛也くん?」 初めてのことに戸惑いを隠せない。 こんな風に凛也くんに抱きしめられたのも、近くに顔があるのも初めてだった。 そして、そのまま凛也くんの頭は私の首元に移動する。 首にかかる髪の気がくすぐったくて笑いを堪えていたとき、チクッと首元に痛みを感じた。 .