「ねぇ茅沙。何やってんの?凛也くんのこと好きだって自覚したんじゃないの?」


「……だって、凛也くんが私のこと好きでも何でもなかったら、ただ引かれるだけかもしれないじゃん!それならいっそ、幼なじみのままでいたい。」


「じゃあ聞くけど、今この状況で昔通りの幼なじみに戻れたの?」



その言葉は、私の頭に響いた。
だって、それは私だって気付いてて、でも認めたくなかったこと。

好きだって言ってもないのに。
ただ、前みたいな幼なじみに戻りたいって思っただけなのに。


それなのに、今この状況は最早赤の他人同然だった。



「……もう、幼なじみにすら戻れないのかな。」


私の声は涙と一緒にぽつりと出る。

その声は美香ちゃんにも届いていた。






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