「おはよ、茅沙。言いたいことちゃんと言えた?」


心配してくれていた美香ちゃんに、うん、と一言返す。
でも、美香ちゃんの顔はまだ曇ったままだった。




それから、平和な日が続く。
私と凛也くんのことを察したのか、誰も凛也くんのことを聞いてくる子はいなかった。

廊下やトイレに行くと、一部の女の子たちの口から凛也くんの名前を聞く確率が高くなったのだけれど…。
どうやらフリーになった凛也くんを狙っている女子が増えているらしい。


同時に、凛也くんの姿すら見ることもなくなって、今の私たちは最早赤の他人だった。





そんな状況に、私は本当にあれでよかったのか、と迷うようになってきたのだった。







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