「…要するに、茅沙は恋人をやめたいってこと?」



恋人をやめたいわけじゃない。でも、このまま恋人でいたいわけでもない。
ただ、恋人になるなら、凛也くんから好きだって思われたいんだ。
だから、うなずくことができなくて。


動かない私を肯定の意と捉えたらしい凛也くんは、そうか、と言って私の頭を撫でた。



「幼馴染に戻ろう、茅沙。」


それじゃあ、と私を置いて歩き出した凛也くん。






そうして私と凛也くんの間には幼馴染、という関係が保たれ、そして何かが消えたのだ。








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