「凛也くんいますかっ！？」



ちょうど部活が終わるころだったのか、片づけを始めていた部員の人たち。
あたりをきょろきょろと探してみると、代わりにあのきれいな女の人がやってきた。




「凛也に何か用かしら？」

まるで凛也くんは私の、って言ってるみたいで正直いやだ。
でも、それよりも今は凛也くんに会って、ちゃんと気持ち伝えて、今までのことちゃんといろいろ知りたいんだ。



「はい、ちょっと凛也くんに伝えたいことがあって。」



真剣に伝えると、その女の人は私の腕をつかんだ。

「私が代わりに伝えておいてあげるから、ここから出て行って。邪魔なのよ。」


ぐいっとそのまま押され、体がぐらっと揺れる。
そのまま転びそうになったとき、懐かしいぬくもりが私の体を覆った。





「凛也くん…！」

久しぶりに近くにいる凛也くんはやっぱり安心して、好きって気持ちに気づいた今はなんだかいつもよりかっこよく見える……。

けれどもすぐにはっとして、もう逃がさないようにと凛也くんのシャツをつかんだ。




「今、茅沙を転ばせようとした？」

「え、そんなつもりは…。」


ない、と言おうとしたのだろう。
でも、その続きは凛也くんの言葉によって被された。




「ねぇ、マネージャー。次茅沙にああいうことしてごらん？」





容赦しないから。




そう言い残して、私の腕をひいてその場を離れる。
そのときに見えた女の人は、とても悔しそうに唇をかんでいた。







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