「…もう私は凛也くんの恋人じゃないんだなぁ。」



今まで恋人だからってされたこと全部、今度はあの女の人にするんだろう。
そう思うと、あふれていた涙はとまることがなかった。










「茅沙、いる?」

とんとん、と扉をたたく音とともに聞こえる美香ちゃんの声。
ベットにくるまっていた私はのっそりと起き上がると扉を開けた。



「ちょ、茅沙どうしたのその顔!?何があったの?」




心配してくれる美香ちゃんを部屋に通して事情を説明する。
すると美香ちゃんはちょっと待ってて、と全速力でどこかへ向かって行き、すぐに帰ってきた。



「これ、読んでみて?」


そう言って渡されたのは少女マンガ。
渡されたものを手に取って読んでみると、それは恋愛マンガと呼ばれるものだと教えてくれた。



私たちと同じような幼馴染が主人公のそのお話は、無事恋人同士になってハッピーエンドだった。
でも、
その2人の恋人のなり方は私たちと全然違っていて…。



「恋人っていうのは、こうやって自分の思いを伝え合って、思いが通じてなるものなのよ。」






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