体育館の舞台の幕の前に

数人の先生が登場した。





一番最後に出てきたのが


喜多先生だった。





喜多先生、どうしてそんなに真剣な顔してるの?


緊張した顔して、真面目なネクタイつけて…




何してんの?



早くそこから下りて、

生徒を怒ってよ。




お願い。


嘘だよって言って。





いつもの明るい色のネクタイじゃない。


紺色のネクタイに真っ黒なスーツ姿。



少し寂しげな目。




ねぇ、先生。


そこから私が見える?




毎日

毎日


先生に会いに行っていた私が


その場所から見えますか?




私の目から流れるこの涙が


見えますか。