喜多先生の悩みを少しでも減らしたかっただけだよ。


先生のあんな悲しい顔、もう見たくないから。

先生を失望させたくないから…


ただそれだけなんだよ。




「マンゴーの飴、持ってきたよ!先生!!」



ビニール袋に入った大量の飴を見て、喜多先生はお腹を抱えて笑い出した。



「お前、本気にしたの?ばっかだな!!これは俺が預かっておく。能見が無事卒業できた時に、俺が買って返してやるから。」



袋の中からひとつ出した飴を喜多先生がポケットに入れた。


「先生、それ預かるって言わないよ!食べるんでしょ?」



「生徒指導室に置いておくから、俺とお前の秘密のおやつな!お前が髪を黒に染めてきたことが嬉しいから、サービスだ!!」


偉そうに腕組みした先生は、わざと怖い顔をしながら言った。