ゲーセンの中はガチャガチャとうるさい音が響いていて、
その中で自分の心の声が聞こえた気がした。
『私、ばかだ』
『先生、誤解しないで』
『私を嫌いにならないで』
隣にいた中学時代の友達は、大きな喜多先生を見上げて、私のひじをつつく。
「ねぇ、大丈夫?めちゃめちゃ怖いじゃん。」
小声で友達は私に言った。
私は、友達に喜多先生の笑顔を見せたくて、先生に向かって言った。
「先生、ごめんなさい。マンゴーの飴あげるから許して!」
唇を噛み締めた先生が、ふわっと笑ってくれた。
「じゃあ、明日5袋持ってこい。」
友達は先生の笑顔を見て、驚いたような表情をした。
そして、先生は友達の肩に手を乗せた。
「君も早く帰りなさい。こんな時間にこんなとこいたら、危ねぇだろ。それと、能見のことこれからも面倒みてやってくれな。ばかなヤツだけど…」
・・・先生。