「いやーーー!!返してよ、先生!」



背の高い先生には勝てるはずもなく…

先生の伸ばした手の先は、キリンの頭くらい高い位置。




「俺が全部食う!サンキュー!」



先生は、さっきまでの顔とは別人のように

やんちゃなかわいい顔になっていた。




好きだよ、喜多先生。



喜多先生と一緒に暮らしている人がいるなんて

本当に羨ましいよ。




大きくて


優しくて


強くて


頼りになって


守ってくれる人。





いいな…


奥さん、一日だけ先生を私に貸してください。






でも、

きっと奥さんも見たことのない顔…



さっきの先生の顔。




私だけに見せる笑顔…


卒業までいっぱいいっぱい見たいんだ。