「よくぞ決心してくれた。月読様も、お喜びになるであろう。この中に入り、そなたらを青の民の惑星へと送る」

 輝夜達は球体の中へと入り、扉が閉まる。

 大婆は首に架けていた月光石のペンダントを、あやとりをするように操りながら、ぶつぶつと呪文を唱えだした。

 球体が緑色に光りだし、フワリと浮かび上がる。

「飛昇天!」

 言霊を叫ぶと、球体は地球へと高速で移動。

「姫達よ。我等の願いを叶えられよ。ひとたび叶わぬ時は、千年に一度再生を果たし、再び帝国を甦らせておくれ…」


 大婆の、そして民の願いを、更に、己の欲望を果たすため、姫達は卑しき地上へと向かう。


 移動する中、二人の姫は別々の地へと降り立った。

 赤子の姿のまま、見つけられるそのときを。

 宝物が見つけられぬとき、長き千年の眠りを経て、再び目覚めるその時を、待っている。