グループの中は全体的にぎこちないが、その中でも俺が一番心配なのは日本人の女の子のカスミだ。

おとなしいのか中国語が分からないのか、ほとんど他のメンバーと話そうとしない。

よし!ここはリーダーである俺が......!





「カスミちゃん、どうしたの?
中国語が分からない? それとも他に悩みでもある?」


「ヒョンスさん......。
いえ、大丈夫です」


ダンスレッスンの休憩中に一人でいるカスミを見つけたので、このままではまずいと日本語で話しかける。

母親が日本人で、多少なら日本語を話すことができて良かった。

意外なところで役に立つものだ。


「俺のことは兄さんって呼んでね!
悩みごとがあるなら、兄さんになんでも相談してよ?
本当のお兄さんだと思ってね」


「え......呼ばなきゃいけないんですか?」


「いや強制じゃないけど呼んでほしいなー......なんて」


「......分かりました、兄さん」


なんか俺が無理矢理呼ばせたみたいになったけど大丈夫かな......?

まだまだ仲良くなるのには時間がかかりそうだ。