ゆきんこ

バス停に着くと、やっぱり彼女は俺の隣りをすり抜けて……




一番に、バスを降りた。








後を追って、降りようとすると……




停留所のすぐ側に……





目印の、白ボンボンが………




目に入る。





「…………。」





何でもないフリをして。





バスを降りる。






サクサクと……



雪踏む音が、後ろから聞こえてきた。







きっとアイツに違いない。





そう思ったけど、振り返ることも出来ずに……。




ただ、その音が心地よくて……




いつもよりも、ゆっくりゆっくりと……




歩いた。