触れて下さい



「…ヤバい」


「……え?」


「…何か、手震える」





そう困ったように笑う彼の手を、握って指を絡ませた。


ドキドキしてるのは、私も彼も同じ。

緊張してるのは、私も彼も同じ。



こんなにも、愛しい――――…。





静かに、彼との視線が交わる。


速くなる、鼓動。熱くなる、頬。





……初めての彼とのキスは、苦くてほんのり甘い、コーヒーの味がした。