触れて下さい



……聞こえて、いた?



立ち上がり私の方へ歩いて来る彼に、急激に恥ずかしさが込み上げる。




慌てている間に、彼はもう、私の目の前に立っていた。




「…っ」


「…大事にしたくて、我慢してたんだけど」




彼はそう呟くと、細くて綺麗な指で、私の頬を撫でた。



突然のことで、ビクッと肩が揺れる。



そっと彼を見上げると、それは“男”の顔で。


色っぽくて、体中の体温が上昇した。





「…そんな事言われたら、歯止め効かないよ?」


「…えっ……は、はい」




彼なら構わない…。


俯きながらも頷くと、彼は大きく目を見開いた。