「んじゃ片付けも終わったことだし、本題に入 りますか」
ソファーから体を起こし持っていた大きい方の鞄を持ってきたまっちゃん。
「ほいっ」
ポイッ
「わっ、ちょいきなり投げないでよ!!って制 服?」
まっちゃんが投げてきたのは、おそらく明日から通う学校の制服だった。
「ああ。明日から通ってもらうからな。寝坊すんなよ」
「分かってる。んじゃ今日、街を探険してきていい?」
「迷子にならねぇようにしろよ。俺はずっと此 処にいるから何かあったら電話しろよ」
自分の物と化したソファーに座り、持ってきた仕事道具のパソコンを開き始めるまっちゃん。
「りょーかい。んじゃ着替えて来るね」
制服を持って部屋に戻り、着替える。
帽子と財布、あとケータイを持ってリビングに戻った。
「それじゃ、いってくるね。
あっそうだ、まっちゃん。
余っている部屋使っていいから」
「本当かっ!!サンキュー!!新しい部屋欲し かったんだぁ!!いってらっしゃい」
今日一番の笑顔で手を振るまっちゃんに思わず笑みがこぼれる。
そんなに家嫌なのかな…
まぁ、まっちゃんにとっては家でも仕事モードだからね。
きっと気を抜けることができる場所が欲しかったんだろうな。
あげて良かったと思うけど、家に居すわるだろうなぁと考えると後ろめたい気持ちもあったりするのは、
…まぁ、秘密にしておこう。
玄関に行き履き慣れたズックを履いて、帽子を被り外に出た。
……………………………
今日は何だか、思いもよらないことが起きそうな気がした。
