「日常」から逃げ出したくて
電車に揺られ
少しでも少しでも遠くへ

帰りの切符は気にせずに……
なんて出来るわけもなく
お金を気にしながら

少しでも少しでも遠くへ


辿り着いた田園の広がる無人駅

ここなら人目なんて気にしなくていい

大きく大きく
はち切れんばかりに息を吸い込む

私の胸は盛り上がり
私の心が膨らんでゆく

見上げれば
青く青く
どこまでも広がり
果てなんてわからないほどの広い空

山の向こうに映える白い雲

聞こえてくる鳶の鳴き声

何とは言えないほどのその響きに耳を澄ます