笑う門にはオレ様がきた!!

そしてあの日、
空港で心音を見送ってから
三年半もの月日が流れていた。


季節は秋。


今日オレは以前、
手掛けたあの老舗のホテルへ
久しぶりに来ていた。


この三年半の間に
老舗ホテルのメインスペースに造った
『帰る場所』が評価されて
国際的にも有名な賞をもらうことが出来た。


お陰で仕事はますます忙しくなり、
心音の事を考える暇もなく
オレは働いていた。
















嘘だ

どんなに忙しくて
眠る暇さえなくてもオレは
片時も心音を忘れるなんて出来なかった。