私が、じっとその固まりを
見つめていると


「なごむ様特製、元気玉おにぎり!!
どうだ?うまそうだろ?
第一、腹が減っては
何もできねぇからなっ。」


「………………」


そう言われても声もでない。


「ったく、何だよ
何か文句あんのかよ。」


少し、不機嫌な顔になる師匠に
慌てて言う。


「と、とんでもないっ!」


取り敢えずちゃぶ台に座り
おにぎりらしい物体Xを
手に取ってみる。


何度見ても固まりにしか見えない
そして何やら赤いものが滲んでる。


不安が募るものの
恐る恐る口に運んでみた。









「んん!!美味しいっ。」


「だろ?」


見た目はイマイチだけど
中にマヨネーズで合えたキムチが
入っていてとても美味しかった。


「お前さ、
ありがたく思え
オレが人生で初めて
作ったおにぎりだぞ
たっぷり感謝して食いやがれ。」


もう…


相変わらずのオレ様発言なんだから


だけどーーー


私、今日のおにぎりの味


一生忘れないよ。


おにぎりなんて
作ったことのない師匠が


私を思って一生懸命
作ってくれたんだもん。


本当に感謝して食べなきゃ


師匠ーー






ありがとう