腕から、力が抜けた。

会話はその後も、容赦なく続く。

「でも男子ってさ、そういう素直な天然キャラに弱いんだよねえ!なんか計算してやってるみたいで、マジ頭くる」

「ブタと仲良くしてんのもさぁ、なんか私って優しい子アピールみたいに見えるよね」

「そうそう」

「色々失敗してもさぁ、そこそこかわいーもんだから部長も笑って許しちゃうしさぁ。ほんと頭くるんですけど」

「なんか颯太もさぁ、あいつにノート借りたりしてんだよね!」

「やめてよ、バカがうつるって!」

「いやほんと、マジでむかつく」

「いやほんと、マジで死んでほしい」

3人は、騒々しく喋りながらまた出て行った。

トイレはまた、静かになった。



けれど、

けれど、

・・・私は外に出られない。