午前6時。 街路樹に、スズメが2羽。 真新しいセーラーカラーの制服に身を包んだ少女が、それを見上げて微笑んだ。 まだ熱を帯びていない早朝の日の光が、彼女の白い肌を一層輝かせる。 朝日を浴びる少女と、小鳥。平凡な日常ながら、清涼感のある風景だ。 いや、清涼感のある風景だった。彼女が口を開くまでは。 少女は希望に目を輝かせ、大きく息をすうと スズメに向かって両手を広げ、そして叫んだ。 「スズメさん、おはよう!!」