「まぁ、そうね。イラついてるって言えば…ふふ、下僕5号がね?やらかしてくれたのよ……」
「え、何を?」
自分が何かやったのかと思ってたらしい炬哲は、あからさまにほっとした顔で真知田にそう聞いた。
ちゅーか、下僕5号て…
なんやかわいそうやな…(泣)
名前すら覚えられてへんとか…
憐れ過ぎやろ…(泣)
「あたしの下僕5号がね、彼氏面して下僕間の秩序を乱してくれたのよ…そのおかげで…」
額を押さえながらケータイを見せてくる真知田。
炬哲の高さに見せとるから、俺が見えへんやん。
ぐいっと屈んで、そのケータイを覗き込む。
「ちょっ…夕暮、近いっ…」
耳元にそう聞こえたが、無視。
そして…『夕暮』て。…うれしい。



