仕事があるからと先に瑞季さんが帰ってしまったので

高砂さんが私を車で送ってくれることになった

家に着くと

「今日はありがとうございました。お陰様で母も見合いの件、あきらめてくれそうです」

「よ、良かったです」

「あの…」

「はい?」

「うちの母あなたに色々言ってませんでしたか?」

「色々…?」

「あの人は何でもハッキリと言う人なので…失礼な事を言っていなければいいのですが」

「大丈夫ですよ。とても楽しいお母さんで良かったです。高砂さんの手懐け方もバッチリです」

「えっ!!」

「嘘ですよ。私にそんなたいそれた事出来るわけありませんから」

「嘘か……少し残念だな」

言葉の後半が聞き取れなかった

「何か言いましたか?」

「いや何でもありません。それより明日、遅刻しないようにしてください」

そう言った高砂さんはいつもの顔に戻っていた