「っ…反則」 そう言ってギュッと抱き締められる。 バスケコートの真ん中で抱き合うあたし達は、かなり注目されてたって、後から聞いた。 「すげえ嬉しい…」 「あたしも」 そして少し体を離して、顔を近付けて 「で、俺の事…好きなの?」 意地悪な瞳に、あの日の質問に答えられなかったことを思い出した。 「それ、聞くの?」 「だってまだ聞いてねーもん」 心臓が体中にあるんじゃないかってくらいにドキドキしながら 「…大好き」 って囁いた。